田坂 広志
〜 最期の一瞬に問われるもの 〜
言葉がエッセンスのように凝縮されたかたちで表現されていて
行間を読みながらもあっという間に読める本です。
時折、開いて読んでいます。
勝ちたい。
勝つことに意義があり
勝ち続けることが何より重要なこと。
そういった競争社会での成功。
それを「勝者の思想」と呼ぶ。
他人の目を意識したこの思想では
自分が本当は何を求めているのかを深く考えない「思考停止」の状態であると。
「自分が人生において本当に求めているものは何か」
自分らしさを探求し、自分らしさを表現することに価値を見出す「思考の深化」をもたらす思想を
「達成の思想」と呼ぶ。
戦いの相手を誰か他人ではなく、自分の目の前の課題に集中するという「自己との戦い」は、
目標を達成する過程で直面する全ての問題を「自分に原因がある」として引き受けることになるので、
最も厳しい戦いになると。
「夢の実現」
「目標の達成」
には
「努力」「才能」「境遇」
そして「運」が大きく影響する。
目標を達成できなかった時、
また、目標を達成したあとも、
「目標の達成の喜び」を感じ続けるには
「体力」「気力」「社会的地位の損失」が影響する。
「成長の思想」
人生の「困難」と格闘することによって「成長」する。
人間として「成長」し続けることを 人生の成功と考える思想。
”過去を振り返り、自分が1人の人間として大きく成長できた時を思い起こすならば、
それは決して順風満帆の時期ではなかった。
それはかならず、苦労や困難の時期であった。
あの天を仰いだ一瞬
あの夜も眠れぬ日々
あの苦闘し続けた歳月
それが我々の心を鍛え、深め、豊かにしてくれた”
人生の最期の一瞬に問われる
「いま、ひとつの人生を負えようとしている、おまえ。
もし、おまえが、この人生と全く同じ人生を、
もう一度生きよと問われたならば、
然り、と答えることができるか。」
「喜んで！」と答えられるよう、
この瞬間から自分の人生を新たな気持で生きていきたい。