”心の病は、どのように治るのか。
二人の巨星 、河合隼雄と中井久夫
箱庭療法の意義を問い。治療の遍歴を巡り、著者自らカウンセリングを学んだ。
そして浮かび上がってきたことー。
心の治療のあり方
「信頼できるセラピストに出会うまで5年かかる」とも言われる。
「心」をめぐる取材は、そんなカウンセリングへの不審と河合隼雄を取材した雑誌の、ある論文をきっかけに始まった。
うつ病患者100万人突破のいま、現代人必読のノンフィクション”
単行本の帯より
私自身、語彙の少ない年少者や、周りに気を使い他者に話しを合わせようとしてしまうクライアントと接するうち、言葉によるカウンセリングに限界を感じ、芸術療法の世界に惹かれて入ったので、
二人の巨星、
「言葉にしないことに意味がある」箱庭療法の故・河合隼雄
言葉のもつ因果関係が「治療を誤らせ、停滞させる」精神科医・中井久夫の絵画療法
に、以前からとても興味がありました。
この本では筆者が実際に絵画療法を受けているシーンが詳しく書かれているので、とても勉強になりました。
〜「信頼できるセラピストに出会うまでに5年かかる」〜
実際にクライアントの方々から、今までの転院回数や宗教を含むカウンセリング遍歴を聞かされるたび、
驚きとともに、どれほどつらい日々を過ごしてこられたのかと、心から気の毒に思ってしまいます。
病院を回り、カウンセラーに悩みを打ち明け、なにか違うと感じ、また探してイチから悩みを打ち明ける。
そんなことを繰り返していくうち、疲労困憊、薬の量も増えて・・・。
「何人のカウンセラーに話をしただろう。でも、どこかに自分をわかってくれる先生がいるはず・・・。」
そんな声を聞くうち、その方にぴったりと合ったセラピーをしたいという使命感のようなものがムクムク湧いてきて、偏った思想や一つの手法では対応できないという思いでいっぱいになりました。
社会的に、また自分自身、満足のいく仕事をするには、時間と努力が必要だと思っています。
研鑽と努力を続け、「やっと出会えた・・・。」といってもらえるセラピストになれるよう頑張ります。