愛着障害の克服には、「親との関係の改善」がもっとも望ましいです。
子供の問題行動が表面化したことがきっかけとなり、
双方の歩み寄りと努力で、良い方向に向かうといったケースが一番理想的です。
もう一度、子供の頃からやり直すようなそんな親密な関係を築いていきます。
でも、親が体力が無かったり、物理的に不可能だったり、
また、あくまで子供の問題だ、自分には落ち度は無いと親が受け入れない場合も多いです。
そんな時には親が果たしてくれなかった役割を一時的に、
場合によっては数年間、肩代わりする人が必要となります。
この役割りをこなせる人としては家族、友人、恋人、パートナー、教師、カウンセラーなど。
「安全地帯」となる役割をこなせる第三者の条件が5つあります。
1. 安全感を保証する 決して傷つけられない存在であるということ
2. 感受性 愛着の問題を抱える人が何を感じ、何を求めているかを察する
3. 応答性 相手が求める時に応じてあげる。
いざというときに「相談できる」「守ってもらえる」という安心につながる
4. 安定性 相手の求めに応じたり、応じなかったりと言うことのない、
その場の気分や都合を優先させない一貫性を持った対応
5. なんでも話せる 4番までが満たされてたうえで、相手はようやく遠慮せずに心をさらけだせる
自分の生い立ちや傷ついた体験と向き合い
「自分の身に起きたことを、その時に味わった思いとともに語りつくす」
___このことがとても重要となります。
自分のことを語っていくことで、それまで断片的だったものが統合され、
傷や歪みが修復されていくプロセスが始まります。
封印してきた過去を整理し、統合し直す作業には、
否定的なことを一切言わずにまるごと受け止めてくれる存在が不可欠です。
傷が深ければ深いほど、傷を与えられた期間が長ければ長いほど、
押さえつけられていた否定的な感情が言語化するまでに時間がかかるもの。
ようやく話し出せても、その次の段階では、否定的な感情ばかりが語られます。
この段階を経て初めて、とらわれが次第に解消され、変化が見られるようになります。
私のセラピーではどのくらいの頻度で通ってこられるか、その回数にもよりますが、
早い方では半年、長い方では3年位で、縛り付けられていたとらわれから解放され、希望へと向かう力を得て、
「以前とは全く違う自分になれ、心軽く生きられるようになった」
そう笑顔で言っていただけるようになるケースが殆んどです。