ただ、 それだけ

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あなたの仕事が何かには興味がない。

私が知りたいのはあなたが何を願っているか、

その願いをかなえる勇気があるかどうかだ。

あなたの年齢には興味がない。

私が知りたいのはあなたが愛のために、夢のために、生きるという冒険のためにばかになれる

かどうかだ。

あなたがどんな星のもとに生まれようと興味がない。

私が知りたいのは、あなたが自分の悲しみの核に触れたかどうか、人生に裏切られたことがあるか、

さらなる苦痛をおそれて、

殻に閉じこもったことがあるかどうかだ。

あなたが自分の苦しみから逃げ隠れせず、ごまかしたりつくろったりもせず、

じっと耐えていられるかどうかを、私は知りたい。

あなたが人や自分の喜びを心から味わい、

陶酔に我を忘れて踊りだせるかどうかを、私は知りたい。

人目を気にしたり、我に返ろうとしたり、自分に枠をはめたりせずに。

あなたが聞かせてくれる話が真実かどうかには興味がない。

私が知りたいのはあなたが人を裏切っても、自分に正直でいられるかどうか、

人から裏切り者と責められても、自分の魂を裏切らずにいられるか、

不誠実になれるがゆえに、人から信頼されるかどうかだ。

あなたが日々のなかで、

美しく見えないものにも美を見いだせるかどうか、

美の存在から自分の人生を掘り起こせるかどうかを、私は知りたい。

あなたが人や自分の失敗を受け入れることができるかどうか、

失敗してもなお、湖畔に立って銀の月に向かって、「イエス!」と言えるかどうかを、私は知りたい。

あなたが住んでいる場所や、どのくらいお金を持っているかには興味がない。

私が知りたいのは、

あなたが悲嘆と絶望の夜を過ごした朝に起き上がれるかどうか、

心身ともにどん底にあっても、自分の子供にごはんを食べさせてやれるかどうかだ。

あなたが誰を知っているか、

どうやって生きてきたかには興味がない。

私が知りたいのは、あなたが危機の最中で、私と一緒にひるまずにいられるかどうかだ。

あなたがどこで誰と、何を学んできたかには興味がない。

私が知りたいのは、すべてが消え去ったあと、何があなたを内側から支えているかだ。

あなたがひとりきりでいられるかどうか。

むなしいときも自分といて心から楽しめるかどうかを、私は知りたい。

オーリア・マウンテン・ドリーマー 著

小沢瑞穂 訳

『ただ、それだけ』

 

私自身の人に対する興味が、その人を覆っているもろもろを剥がしていった、「素のその人の魅力」にいつも

フォーカスされているので、この詩にはとても共感できます。

 

『あなたが悲嘆と絶望の夜を過ごした朝に起き上がれるかどうか、

心身ともにどん底にあっても、自分の子供にごはんを食べさせてやれるかどうかだ。』

 

目の前の問題に精力が奪われ、子供の世話をする力なんてどこにも残っていない。

「もう親の事情を理解していい年齢だろう。この子は優しいから、しっかりしているから。」

いろんな理由で日常からかけ離れたような葛藤の真っ只中のお母様がご相談に見えます。

親として、また、親なんだから、無理をしてでも子供の世話をするべきなんて言えません。

けれども、子供の心は間違いなく傷ついています。

大好きなお母さんが悩む姿、悲しむ姿を見せられて。

そのお子さんは、甘えたい気持ちを抑えこんで抑えこんで頑張ったために、おとなになった時、

生きていくことがつらいと思う日が来るかもしれません。

 

いつか、あのつらい時期にも子どもと笑ってごはんを食べることが出来た自分を、

誇らしく、褒めてやりたいと思う時がきっと来ます。

どうか、どんな時でもお子さんと一緒にいられる時間を大切にして下さいね。

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