私は自然の中にいるのが好き。
樹を眺め、草に触れたり・・・
早朝の朝露が葉っぱの先っぽで輝くのを見ていると本当に幸福感に包まれる。
風が草の上をさ〜っと駆けていき、葉っぱを揺らす。
草を見つめながら、頬にあたるそよ風を感じるのも好き。
そんな私の原点は、あの草原。
「どうしても連れて行きたい素敵な場所があるんだ。」
着いた場所は・・・春から初夏へと移る季節をあらわすかのような、
キラキラ輝く、どこまでも続く草の海原。
一面、幸福な柔らかな緑の世界。
それまで自然が美しいとか、好きだなんて少しも思っていなかった私の心に飛び込んできた景色は・・・
歩いても歩いても堪能しきれないほどの、雄大で、優しくて、愛おしい景色だった。
何年たってもありありと思い出すことが出来る。
大好きな自然に触れる度、あの景色を思い出す。
何度も何度も・・・。
私が自然を好きになった原点。
ひろ〜いひろ〜い草原の真ん中に座って、いろいろな表情の草に囲まれて・・・。
静けさと平和と・・・
「通学の電車から見える景色がすごいから一緒に来てみたいと思って・・・。」
その景色に心惹かれ、美しいと感じるその人の心の中には、
同じ美しさがあるという。
わずか18歳の男の子の心の中に、こんな景色が入っていたなんて。
あの時、心100%で幸せを感じることが出来なかった私が、悲しい。