もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『イノベーションと企業家精神』を読んだら
岩崎夏海
”280万部のベストセラー『もしドラ』第2弾!!
勝つために必要なのは、全員の「居場所」だった――。”
ドラッガーの本って難しい印象が強く、開いてもなかなか読み進めなかったりしますよね。
もしドラに続く今回の『もしイノ』は続編と言われているけれども、
こちらから読んでも全く問題なく理解できると思います。
ピーター・F・ドラッカーの「イノベーションと企業家精神」を読んだ高校生が、
マネージメントを学ぶための野球部を作る。
このストーリー設定が面白く、いつの間にかグイグイ引きつけられていきます。
もちろん、この『もしイノ』を読んだだけで、ドラッカーを理解したような気になるのは
いただけないと思いますが、ドラッガーに興味があるのに、読む機会がなかったという人にとっては、
とてもよい刺激になると思います。
ドラッガーがまとめたイノベーションに必要だと言われる7つの機会について、
わかりやすく述べられています。
”(1)予期せぬことの生起。予期せぬ成功、予期せぬ失敗、予期せぬ出来事。
(2)ギャップの存在。現実にあるものと、かくあるべきものとのギャップ。
(3)ニーズの存在。
(4)産業構造の変化。
(5)人口構造の変化。
(6)認識の変化。ものの見方、感じ方、考え方の変化。
(7)新しい知識の出現。”
イノベーションというと、どうしても競争に勝つためのなにか新しいこと、といったった感じがするけど、
本書を読んで、人は適切な『居場所』を与えられると『企業においては役割り』、
誰かを助けているという感覚、
人から必要とされている感覚を持てるようになる。
それが競争せずに勝てることにつながるとても大切なことだということを教えてもらいました。
後半部分では高校野球の興奮が味わえるし、
小説として読んでみるには、ほんとにさらっと読めるのでお勧めです。